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湘南野菜の生産者をご紹介

大竹農園 大竹孝一さん

葛藤を乗り越えゼロからのスタート

父のやっていた栽培方法は、タネを厚く蒔くことで収量を増やす一方で、過密栽培による病害虫を薬(農薬)で抑えたりと、かなり無理をした営農をしているように自分は感じてしまって。

僕はタネを薄く蒔いて通気を良くし、病害虫を薬で叩くのではなくて、そもそもそうした病気にならないような栽培方法の方が消費者にとっても、農家自身にとっても理にかなっているように思えてしまって。そうした親と僕の考え方の違いが少しずつ大きくなっていって、当時は自分の中でもかなりの葛藤がありました。

人を育てる組織づくり

特別なことはしていないのですが、それぞれのパートさんが出勤できる日を出してもらって、その中でシフトを組んでいるのですが、一つ工夫しているところとしては、経験の浅い人とベテランのパートさんをできるだけ混ぜるようにすることで、人を育てるようにしています。

農家って、どうしてもそこ(人の育成)を省いてしまうことが多くて、そこに今の農業の限界があるのではないかと個人的には思っています。意外と農家さんの中には、自分しかできない、自分がやると早いって人が多いんですけど、それは自分の時間を全て殺している訳でもあり、組織としてやっていくには上手くいかないことがほとんどなんですよ。

農家として身を以て経験した農薬の影響

うちは農薬をあまり使いたくないので、防虫ネットなどを活用して、農薬の使用をできるだけ抑えるようにしています。具体的に言うと、通常であれば農薬を5回散布するところを1回まで減らしています。

薬を使うとお酒が飲めなくなるんですよ(笑)農薬って一番影響を受けるのは実は生産者で、農薬を散布した後にお酒を飲んだりすると、農薬に含まれる成分が体を回っちゃって体調が悪くなるんです。

信用を守り続ける品質の高い農産物を

品質の高いものを安定的に出荷することを日々心がけています。湘南野菜として市場に出荷するときも、作物の質が少しでもわるいと事前に担当者へ相談したり、わるいものは出荷自体をしないようにしています。どんな世界もそうですが、食に携わる仕事は特に、一度信用をなくすとそれを取り戻すのは大変ですからね。

自分でつくると、自分で食べても美味しいし、ありきたりになってしまいますが、やっぱり買ってもらったお客さんに美味しいって言ってもらえることに尽きますね。うちの場合、収穫が始まると近所の人が直接野菜を買いにくる人もいますからね。減農薬でやっているのを近所の人が一番知っていますからね。

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