表示させたい文章 カテゴリー 湘南野菜の生産者をご紹介 湘南きゅうり園 吉川貴博さん 会社勤めから生産者へ 大学は農学部に進んで、そこから種苗メーカーに就職して5年くらい働いていました。そんな折、2009年に体調不良で父が倒れてしまって、お袋から家に戻れないか、という相談を受けました。当時、会社員として社内でできることの限界も感じていたこともあり、自分の蒔いた種で、作物を栽培して、自分の給料を自分で稼ぐという生き方にも興味を持ちはじめていた時期でした。そうした背景やタイミングが重なり、就農という道を選択しました。 きゅうりに必要なことはどんなことでもやる 家庭菜園できゅうりを育てたことがある方はわかると思うのですが、きゅうりは普通に手をかけずに育てるとやはり曲がってしまうものなんです。一方で、消費者の方は、曲がり具合や色を見られたりすると思うのですが、農家側はそうした差ができるだけ出ないように栽培工程での工夫や選果を丁寧にやっているんですよ。他にも、ハエ取り用の巨大な粘着テープで害虫を捕まえたり、黄色っぽく傷んで来た枝を小まめに取ったりだとか、きゅうりに必要なことはどんなに忙しくても必ずやるというのが自分たちのスタンスです。そうすると、結果的には長期間で品質の高いきゅうりが取れるんです。 新旧の手法を融合させたきゅうり作り 新しい考え方や技術を取り入れる意味でも、この3年間、宮崎、鹿児島、群馬、千葉といったきゅうりで有名な産地でトップを走るようなきゅうり農家さんを訪問させてもらって、水や二酸化炭素などの環境管理に関するノウハウや技術を教えてもらいながら自分たちの圃場にも取り入れたりと、従来から行ってきた良いところは守りつつ、新しい取り組みにもチャレンジしていくという形で、攻守のバランスを取りながら営農を行っています。 きゅうりの根っこを抜くときは自然と泣けてくる 収穫が終わって最後にきゅうりの根っこを抜くときはやっぱり寂しいんですよ。自然と泣けてくるような感覚です。寝る間も惜しんでずっと一緒にやってきて、自分でとどめをさすことになるので。大変ですけど、自分の思い通りにきゅうりが作れたり、計画通りに収穫ができたりするとやっぱり嬉しいですね。あとはやっぱり、プロの生産者(仕事)として、自分の作ったきゅうりがしっかりと評価されて、販売につながるとそれに変わる喜びはないですね。 ← 平塚 昌廣さん → 新倉 正芳さん